一般的には、布団に入って入眠するまでは30分ぐらい必要だといわれています。早い人は5分程度で眠れるますが、逆に2時間以上かかると入眠障害という睡眠の病気に分類されるといわれています。こうなるとお医者さまの領域ですが、そこまで行かないけれども、寝入りが悪いという方は少なからずいらっしゃいます。
入眠する、そのメカニズムは
ヒトは夜8時過ぎぐらいから、睡眠ホルモンともいわれるメラトニンの分泌が増えます。睡眠するというのは、体温を下げて代謝量を落として脳と身体を休める行為です。その為、寝る前には少し体温が上がります。(これは子どもに顕著ですね)
実は体温を下げるために、寝る前に血流を増やして、身体の中にある熱を血液を通じて末梢血管から放出をするためです。血液がラジエーター液で、末梢血管がラジエーターと理解してもらうといいでしょう。こうやって、寝る前に少し体温が上がり、入眠に向けて体温を放出し、夜半に向けて体温は1~2℃下がります。この間メラトニンが分泌を続けます。睡眠の後半になると、コルチゾールの分泌が始まり、起床へ向けて体温が上がるのです。
草木も眠る丑三つ時、というのは体温が最も下がって活動が低下する時なので、盗賊が跋扈したりします。赤穂浪士が討ち入りするのもこの時間。さまざまな事故が起きやすいのも午前3時~午前5時といわれています。
冷え性の人は入眠しにくい
冷え性の方は血行があまり良くないため、血液によって体温を下げるメカニズムが十分に働きにくくなります。対策としては、入眠の60~90分前に、ぬるめのお湯で長めに入浴する。夕食に、カプサイシンなど血行を促進する食べ物を摂るなどが考えられます。汗をかかない程度の有酸素運動もおすすめです。
寝具は、できるだけ速暖性の高いものを選びましょう。カシミヤの毛布なんかはすぐ暖まるのでおすすめです。寝具が冷えていると良くないので、予め少し温めておくことをおすすめします。
やってはいけないこと
- カフェインを摂る
- 寝る前に飲食する
カフェインは入眠を妨げますし、寝る前に飲食すると消化して熱をもつため、身体が休まりません。寝る前の汗をかくような運動や熱い風呂も身体の温度を上げすぎるため、反って良くないとされます。
基本的には、寒がりの方の対応策と同じですが、生活習慣や精神衛生も大きなポイントなので、焦らずに取り組みましょう。
入眠儀式を毎日行なう
入眠儀式とは、毎晩一定のルーチンを行ないながら就寝することによって、眠るためのリズムを作ることです。